11月も中旬に入り、朝晩の冷え込みが一段と厳しくなり、気温もさらに低くなってきました。外に出るとひんやりとした空気が肌に触れ、冬の訪れを感じる季節です。これからの時期は、寒さとともに乾燥も気になり始め、外の冷たい空気と暖房で温められた室内の乾燥した空気が肌や体調にさまざまな影響を及ぼします。
特にオフィスでは窓を閉め切り、湿度調整ができないエアコンが多いため、乾燥が一層進む傾向にあります。
オフィスの温度や湿度が適切でないと、仕事の効率が下がるだけでなく、体調を崩す原因にもなりかねません。そこで今回は、オフィスで手軽に実践できる乾燥対策についてご紹介します。
1. 感染症リスクの増加
乾燥した空気は、鼻や喉の粘膜の水分を奪うため、ウィルスや細菌の侵入を防ぐ防御機能が低下します。これにより、コロナやインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるのです。また、湿度が低いと咳やくしゃみで飛散したウイルスが空中に留まりやすく、感染のリスクが高まります。
2. ドライアイの悪化
空気が乾燥すると目の水分が奪われ、ドライアイを引き起こしやすくなります。ドライアイが進行すると眼精疲労を引き起こし、かすみ目、目の痛みや視力低下、さらには頭痛や肩こりにつながることもあります。オフィスでの乾燥した環境は健康を妨げるほか、業務効率の低下を招くリスクもあります。
3. 肌の乾燥
肌は水分と油分のバランスによって保護されていますが、乾燥した環境に長時間いると、皮膚の保護機能が低下し、ドライスキンの原因となります。肌のハリやツヤが失われ、場合によっては不快なかゆみを伴うこともあります。
1. 卓上加湿器の使用
デスク周りの湿度を手軽に上げるには、卓上加湿器が便利です。静音で省エネ設計の超音波式や気化式を選ぶと、作業の妨げにもなりません。個人のパーソナルスペースを加湿できるため効果的ですが、加湿範囲が限られる点には注意しましょう。
2. 濡れタオルを干す
濡れたハンドタオルをデスク周りに置くと、簡単に加湿できます。ハンドタオルはこまめに湿らせ、使用後は雑菌対策として洗濯し清潔な状態を保つようにしましょう。この方法はコストもかからず気軽に行えますが、オフィスの見た目を考慮し、周囲の環境に配慮して行いましょう。
3. お湯や水を入れたコップを置く
コップにお湯や水を入れてデスクに置くと、水分が空気中へ少しずつ蒸発し、自然な蒸発で加湿されます。特にお湯は蒸気を発生させるため効果が高いですが、倒れないよう充分注意が必要です。コストもかからないエコな方法ですが、その効果は微々たるものになります。
4. こまめな水分補給
乾燥対策は空気が乾燥しないよう加湿することだけではなく、体内の水分を保つことも重要です。こまめに水分を補給し、鼻や喉の粘膜を潤わせましょう。鼻や喉の粘膜が潤うと、風邪やウイルスの侵入を防いでくれる効果が期待できます。ペットボトルやマイボトルに飲み物を用意しておくと、いつでも水分補給ができます。
水分補給のために用意する飲み物は、カフェインが入っていないものにしてください。コーヒーや紅茶には利尿作用のあるカフェインが含まれており、水分補給には適していません。
5. マスクの着用
マスクを着けると呼吸による水分がマスク内に留まり、粘膜の乾燥を防げます。ウイルスの遮断効果もあるため、感染予防にも役立ちます。ただし、体内の水分を利用する方法であるため、他の加湿方法と組み合わせるとより効果的です。
6. ミスト化粧水を使う
とくにお肌の乾燥が気になる方は、携帯に便利でメイクの上からも使用できるミスト化粧水は、オフィスでも手軽に乾燥対策ができる便利アイテムです。ただし、使い方を誤ると乾燥を助長する場合もあるので、正しい方法で使用しましょう。ミスト化粧水は肌から30cmほど離して顔全体に均一にスプレーし、手のひらで優しくハンドプレスします。これにより、手の温度が成分の浸透を助け、乾燥を防ぎます。放置すると水分が蒸発して乾燥の原因になるため、必ずハンドプレスを行いましょう。
ミスト化粧水を選ぶ際は、粒子が細かく保湿成分がしっかり含まれているものを選ぶのがおすすめです。アルコール配合のものは蒸発が早く肌が乾燥しやすくなるため、注意が必要です。
冬場やエアコンが効いたオフィス環境では、空気が非常に乾燥しやすく、肌や健康に対してさまざまな影響が出やすくなります。このため、快適な職場環境を保つための乾燥対策が特に重要です。
オフィスでの乾燥に対する意識を高め、乾燥からくる不調を防ぐことで、仕事への集中力も維持しやすくなります。また、こまめな保湿や健康管理にも配慮することで、肌を健やかに保ち、冬の乾燥やエアコンによる刺激から体を守ることができます。
乾燥する季節には、ご自身の健康や肌のケアにも積極的に気を配り、できるところから乾燥対策を始めてみましょう。