皆さんは「タイパ」という言葉、ご存知でしょうか?
「タイパ」とはタイムパフォーマンスの略。直訳すると「時間対効果」を意味します。「タイパ」は比較的最近2020年頃から頻繁に使われるようになり、Z世代(1990年代後半から2012年頃に生まれた世代)から広まってきたと言われています。
今回はこの「タイパ」についてご紹介したいと思います。
「タイパ」はある行動にかけた時間に対して得られる満足度を意味しています。
つまり「タイパを高める」「タイパを重視する」ということは、限りある時間を効率的に使って、その中でより満足度の高い体験を得ようとすることなのです。
Z世代が生まれ育った時代というのは、情報があふれる世の中で、いかに効率よく自分に必要な情報を取捨選択するかが重要とされていました。
そんな時代背景から、時間をより効果的に使おうとする「タイパ」という言葉が、頻繁に使われるようになったと考えられているそうです。
実際に「タイパがいい」ことにはどんなことがあるのでしょうか。
例えば、YouTube・ドラマ・映画などの動画を倍速で見ることは、視聴時間を節約できるため「タイパがいい」とされています。
また重要ではない場面をスキップしたり、コンテンツを短くした「ネタバレ動画」や「まとめ動画」を見ることも「タイパがいい」ということになります。
学びの場でも、最近は動画授業や動画研修が広く定着し、そうした動画を倍速で視聴するのはすでに一般的になっています。通常再生で1回観るよりも「倍速で2回観ることでより理解度が深まる」という方も少なくないようです。
本の要約サイトを活用することも「タイパがいい」ことのひとつです。
本1冊分を10分程度で読めるように要約してくれるサービスです。
時間を効率的に使うために有効活用したいのが用事の合間の時間や移動時間などの「スキマ時間」。わずかな時間でも積み重なれば数時間にもなります。1冊本を読むためには数時間もしくは数日かかることもありますが、要約サイトを活用すれば10分程度のスキマ時間で知識を得ることができます。
最近よく目にする「コンビニジム」、これも普段着のまま外履きのまま入店し、トレーニングができ、ロッカーがなく、トレーニング前の準備時間の省略と、店舗数の多さを活かした移動時間の短縮で「タイパがいい」トレーニング方法といえます。
「タイパ」を求めることのメリットは、限られた時間の中で、より満足度の高い経験を得ることで、自分の目的に最短で到達できる可能性、凄いスピードで成長できる可能性があるということなのです。
では「タイパ」を求めることにデメリットはあるのでしょうか。
注意したいのは「タイパ」=急ぐということではないということ。
目的がなく時短を意識しすぎると、ただのせっかちと捉えられてしまい、ミスもしやすくなるリスクがあります。重要なのは何のために時短をしているのか、「タイパ」の目的を明確にすることが大切なのです。
短時間で大量の体験や情報を摂取できてしまうからこそ、目的が定まっていないと今やるべきことに的を絞ることが難しくなってしまいます。
そして、なかには時間をかけないと良さが分からないことがあります。
例えば、ファスト映画だけを観て映画本来の魅力を知ることはできません。
時短することで、本来得られるはずだった経験を失う可能性があるのは、タイパのデメリットといえるのではないでしょうか。
少しだけかじって、分かった気になってしまわないように注意が必要です。
「タイパ」のメリットを享受できるかどうかは目的を明確にできているかがポイントです。
何のために「タイパ」を求めているのか?何かの資格を取りたい!好きなことを極めたい!など、目的は人ぞれぞれです。今、自分は何のために時間を有効に使いたいのかを明確にしましょう。
もし自分の好きなこと、やりたいことが見つからないまま「タイパ」を求めてしまっているのであれば、日々の情報をただ漫然と受け取るのではなく、自分の中で「これはピント来る」「来ない」、「これは好き」「嫌い」を明確にしながら、情報を仕分けしてみましょう。
そしてそのとき「自分はなぜそう思うのか」を考えてみてください。
そうすることで自分の好きなこと、興味のあることがわかってきます。そこから「タイパ」を高め、関連する情報を取りに行き、知識や経験を広げていってみてはいかがでしょうか。